「昔は走れた」は危険?運動会で肉離れを防ぐために知っておきたいこと
2026.09.14


秋になると、学校や地域の運動会・体育祭が増えてきます。
子どもたちにとっては、日頃の練習の成果を発揮する楽しみなイベントですよね。
そして運動会といえば、実はお子さんだけでなく、保護者の方にとっても注意が必要な季節です。
「子どもの運動会で久しぶりに走ることになった」
「親子競技に参加する予定がある」
「リレーに出ることになってしまった!」
「昔は運動していたから大丈夫だろう」
このような方はいませんか?
普段から運動習慣がある方であれば問題が起こりにくい場合もありますが、日頃あまり運動をしていない方が、突然ダッシュやジャンプ、方向転換などをすると、身体に大きな負担がかかることがあります。
特に運動会では、短距離走やリレー、綱引き、親子競技など、普段の生活ではあまり行わない動きをする機会があります。
その結果、
「走った瞬間にふくらはぎが痛くなった」
「太ももを痛めてしまった」
「足首をひねった」
「競技の後から腰が痛い」
といったトラブルにつながることがあります。
せっかくの運動会ですから、できればケガをすることなく、最後まで楽しく参加したいですよね。
今回は、久しぶりに運動する方に向けて、運動会前に知っておきたい身体の準備や、ケガを防ぐためのポイントをご紹介します。
久しぶりの運動でケガが増えやすい理由
まず知っておきたいのが、「普段の生活でできる動き」と「スポーツで求められる動き」は違うということです。
私たちは普段、歩いたり、階段を上ったり、立ったり座ったりといった動作をしています。
しかし、運動会では、
・全力で走る
・急に止まる
・方向を変える
・ジャンプする
・しゃがむ
・人と一緒に動く
・重いものを引っ張る
など、身体に大きな力が加わる動作が増えます。
特に「走る」という動作は、歩くよりも身体への衝撃や筋肉への負荷が大きくなります。
普段ほとんど走っていない状態で、いきなり全力疾走をすると、筋肉や関節がその動きに対応できず、負担が集中することがあります。
また、運動不足によって筋力や柔軟性、身体を動かす感覚が低下している場合もあります。
「頭では走れるつもり」でも、実際の身体は以前と同じようには動かないことがあります。
ここが、久しぶりに運動する際の大きなポイントです。
「昔は運動していたから大丈夫」は要注意!
運動会前によく聞くのが、
「昔は部活をしていたから大丈夫」
「学生時代はずっと運動部だった」
「若い頃は毎日走っていた」
という言葉です。
もちろん、過去に運動経験があることは一つの強みになります。
しかし、運動していた時期から長い時間が経っている場合は注意が必要です。
身体は年齢や生活習慣によって変化しています。
昔は簡単にできた動作でも、現在は筋力や柔軟性、持久力などが変わっている可能性があります。
特に、
「昔と同じ感覚で走る」
「最初から全力で走る」
「子どもに負けたくないから頑張る」
という気持ちは、思わぬケガにつながることがあります。
運動会では、子どもたちの前でカッコよく走りたい気持ちもあると思います。
しかし、まずは「今の自分の身体」に合わせて動くことを意識しましょう。
運動会で一番カッコいいのは、全力で走ってケガをすることではなく、元気に最後まで競技を楽しむことです。
特に注意したいのが「肉離れ」
久しぶりに走る方に特に気をつけていただきたいのが、肉離れです。
肉離れは、筋肉が急激に引き伸ばされたり、強く収縮したりすることで、筋肉の一部が損傷するものです。
運動中に、
「ブチッとした感じがした」
「急に太ももが痛くなった」
「ふくらはぎに強い痛みが出た」
という場合は、無理に走り続けないことが大切です。
特に短距離走やリレーでは、最初から全力で走ろうとするため、太ももの裏側やふくらはぎなどに大きな負荷がかかります。
普段から走る習慣がない方ほど、急なダッシュには注意しましょう。
足首の捻挫にも注意
運動会では、走るだけでなく、方向転換やジャンプ、着地などの動作もあります。
その際に足元が不安定になると、足首をひねってしまうことがあります。
特に、
・急に方向を変える
・人を避ける
・ジャンプから着地する
・凸凹した場所を走る
・疲れて足元への注意が落ちる
といった状況では、捻挫のリスクが高くなることがあります。
「走るだけだから大丈夫」と思わず、足元にも注意しましょう。
また、以前に足首を捻挫したことがある方は、痛みがなくなっていても身体の使い方に癖が残っている場合があります。
過去に捻挫を繰り返している方は、運動会前に身体の状態を確認しておくのもよいでしょう。
運動会前にできる3つの準備
では、運動会でケガを防ぐためには何をすればよいのでしょうか?
おすすめしたいのは、次の3つです。
① 少しずつ身体を動かしておく
② 運動前にウォーミングアップをする
③ 本番でいきなり全力を出さない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 運動会までに少しずつ身体を動かしておく
一番おすすめしたいのが、「本番前に少しずつ運動しておく」ということです。
運動会の前日に、
「明日は走るから、今日ちょっと走っておこう!」
と急に激しい運動をするのはおすすめできません。
身体を慣らすためには、もっと前から少しずつ始めることが大切です。
例えば、
・ウォーキング
・軽いジョギング
・階段の上り下り
・スクワット
・軽い体操
などから始めてみましょう。
最初は短時間で構いません。
「10〜15分くらい歩く」
「少しだけ早歩きをする」
など、無理なく続けられるものがおすすめです。
身体が慣れてきたら、少しずつ運動量を増やしていきます。
特に普段運動をしていない方は、いきなり長時間走る必要はありません。
「運動する習慣をつくる」ことから始めましょう。
② 運動前にはウォーミングアップを
運動会当日は、競技の前にしっかり身体を動かしましょう。
身体がまだ動く準備をできていない状態で、いきなり全力疾走をするのは避けたいところです。
ウォーミングアップでは、軽く歩いたりジョギングしたりしながら、徐々に身体を温めていきます。
その後、
・肩を回す
・股関節を動かす
・膝を軽く曲げ伸ばしする
・足首を動かす
・軽く身体をひねる
など、これから使う身体の部分を動かしていきましょう。
ここで大切なのは、「無理に伸ばしすぎない」ことです。
運動前から強い痛みを感じるほどのストレッチをする必要はありません。
身体を少しずつ動かしながら、「今日は身体がどんな状態なのか」を確認する時間にしましょう。
動的に身体を動かすことを意識しましょう
運動前は、止まった状態で筋肉を強く伸ばし続けるよりも、身体を動かしながら準備していく方法が取り入れやすいでしょう。
例えば、
脚を軽く動かす
腕を回す
股関節をゆっくり動かす
軽く歩く
などです。
いきなり大きな動作をするのではなく、最初は小さな動きから始め、徐々に身体を大きく動かしていきます。
「身体をこれから運動させる」という準備をするイメージです。
③ 本番でいきなり全力を出さない
そして、運動会当日に最も注意していただきたいのが「いきなり全力を出さない」ことです。
特にリレーや短距離走では、
「よーい、ドン!」
の合図と同時に全力で走りたくなります。
しかし、普段運動をしていない方にとって、全力疾走は身体への負荷がかなり大きい動作です。
最初から100%の力を出すのではなく、自分の身体の状態を考えながら動きましょう。
もちろん競技なので全力で走る場面もあると思います。
だからこそ、その前の準備が大切なのです。
「ウォーミングアップをしておく」
「普段から少し運動しておく」
「身体に違和感があれば無理をしない」
この3つを意識しておきましょう。
運動会当日の朝にできること
運動会当日の朝は、いつもより少し身体を動かしておくのもおすすめです。
ただし、疲れるほどの運動をする必要はありません。
軽い体操やウォーキングなどで身体を動かし、「今日は身体を使う日だ」と準備しておきましょう。
また、朝食や水分補給も忘れないようにしましょう。
運動会は屋外で長時間過ごすこともあります。
秋になって暑さが和らいできたとしても、日中は気温が上がることがあります。
「秋だから大丈夫」と油断せず、こまめな水分補給を心がけましょう。
運動会当日は「準備」も競技の一部
運動会では、競技そのものに目が行きがちです。
しかし、ケガを防ぐためには競技前の準備も重要です。
例えば、
・競技前に身体を動かす
・靴ひもを確認する
・水分をとる
・身体の状態を確認する
・無理をしない
といった準備をしておきましょう。
特に靴は重要です。
サイズが合っているか、靴底が極端にすり減っていないか、靴ひもが緩んでいないかなどを確認しておきましょう。
「普段あまり履いていない靴で走る」というのも、できれば避けたいところです。
本番直前に新しい靴を履くよりも、事前に履き慣らしておくほうが安心です。
子どもの運動会だからこそ、保護者の方も準備を!
運動会では、お子さんの準備に一生懸命になるあまり、自分自身の準備を忘れてしまう保護者の方もいます。
「子どもの着替え」
「お弁当」
「飲み物」
「タオル」
などを準備しているうちに、自分の身体の準備は後回しになってしまいます。
しかし、親子競技や保護者リレーに参加する場合、保護者の方も立派な「選手」です。
競技に参加する予定があるなら、ぜひ数週間前から少しずつ身体を動かしておきましょう。
普段運動していない方であれば、まずは歩くことから。
そこから軽いジョギングなど、少しずつ運動量を増やしていきましょう。
運動会後の身体のケアも忘れずに
運動会が終わったからといって、身体のケアも終わりではありません。
久しぶりに身体を動かした後は、筋肉に疲労がたまっていることがあります。
運動後は急に動きを止めるのではなく、軽く歩くなどして身体を徐々に落ち着かせましょう。
その後は、水分を補給してゆっくり休むことも大切です。
また、身体に強い張りや痛みがある場合には、無理に運動を続けないようにしましょう。
「運動会が終わった翌日からまた普通に動ける」と思っていても、普段使っていない筋肉を使ったことで、翌日に身体の疲れを強く感じることもあります。
運動会の翌日は、身体の状態を見ながら活動量を調整しましょう。
運動後の筋肉痛とケガの違い
運動会の後、
「太ももが痛い」
「ふくらはぎが張っている」
「身体が重い」
という症状が出ることがあります。
運動後に筋肉痛が出ること自体は珍しいことではありません。
ただし、すべての痛みを「筋肉痛だから大丈夫」と考えるのは注意が必要です。
例えば、
・運動中に突然強い痛みが出た
・特定の場所に強い痛みがある
・腫れがある
・歩くのがつらい
・時間が経つにつれて痛みが強くなる
・明らかに力が入りにくい
といった場合は、単なる筋肉痛とは異なる可能性があります。
痛みを我慢して運動を続けたり、無理にストレッチしたりせず、必要に応じて医療機関などへ相談しましょう。
こんな方は特に注意しましょう
次のような方は、久しぶりの運動で身体に負担がかかりやすいため、特に注意してください。
・普段ほとんど運動していない
・デスクワークで座っている時間が長い
・最近、運動量が大きく減った
・以前に肉離れをしたことがある
・足首の捻挫を繰り返している
・腰や膝などに違和感がある
・最近体重が増えた
・睡眠不足や疲労を感じている
もちろん、これらに当てはまるからといって運動会に参加できないということではありません。
大切なのは、自分の身体の状態を知り、それに合わせて準備することです。
運動会前の簡単セルフチェック
運動会前には、次の項目をチェックしてみましょう。
□ 普段から少しでも身体を動かしている
□ 運動会までにウォーキングなどを始めている
□ 足首や膝、腰などに痛みがない
□ 運動前にウォーミングアップをする予定がある
□ 運動に適した靴を用意している
□ 水分補給の準備ができている
□ 久しぶりだから無理をしないと決めている
□ 運動中に痛みが出たら中止するつもりでいる
チェックが少なかった方は、今からできることを一つずつ始めてみましょう。
「ケガをしないこと」も運動会を楽しむための大切な準備
運動会では、どうしても「速く走りたい」「子どもにいいところを見せたい」「チームのために頑張りたい」という気持ちが出てきます。
その気持ちはとても自然なものです。
ただ、身体の準備ができていない状態で無理をしてしまうと、楽しいはずの運動会がケガの思い出になってしまうことがあります。
だからこそ、
「運動会までに少しずつ身体を動かす」
「競技前にウォーミングアップをする」
「本番でいきなり無理をしない」
という3つを意識しておきましょう。
そして、身体に違和感や痛みがある場合は、「せっかくの運動会だから」と無理をしないことも大切です。
まとめ|久しぶりの運動は「準備」が大切!
今回は、運動会シーズンに向けて、久しぶりに運動する方が気をつけたいポイントをご紹介しました。
特に大切なのは、
① 運動会までに少しずつ身体を動かす
普段運動していない方は、ウォーキングなど無理のない運動から始めましょう。
② 運動前にはウォーミングアップをする
軽く歩いたり身体を動かしたりして、徐々に運動する準備をしていきましょう。
③ 本番でいきなり全力を出さない
「昔はできた」という感覚だけで無理をせず、今の自分の身体に合わせて動きましょう。
運動会は、お子さんにとってもご家族にとっても大切なイベントです。
せっかく参加するなら、ケガをすることなく、思い切り楽しみたいですよね。
そのためにも、運動会当日だけではなく、事前の身体づくりを意識してみてください。
「最近運動していないけど、運動会で走ることになった」
「以前から腰や膝に違和感がある」
「久しぶりにスポーツをするのが少し不安」
という方は、早めに身体の状態を確認しておくのもおすすめです。
当院では、腰・膝・足首などの身体の状態を確認しながら、一人ひとりの状態に合わせた施術やセルフケア、運動についてのアドバイスを行っています。
運動会を思い切り楽しむためにも、無理をせず、今の身体の状態に合わせて準備していきましょう。
今年の運動会が、ケガなく楽しい一日になりますように!



