こんにちは!
この数日の間に、桜の開花が進みました。
春の陽気になりどんどん暖かくなってきて過ごしやすい季節に向かっているのは喜ばしい限りです。
今回は、以前ご紹介させていただきました離断性骨軟骨炎(野球肘)と同じ肘の外側に痛みが出る疾患【パンナー病】について紹介させていただきます。
パンナー病とは
5歳~10歳の男児に比較的に多く発症する疾患で、肘関節の痛みや動きの制限があらわれます。
以前、紹介させていただいた離断性骨軟骨炎(OCD)、通称『野球肘』とよく似た症状ですが、まったく異なる疾患です。
野球肘とパンナー病では発症年齢に違いがあり、大きな目安となります。
パンナー病を引き起こす「上腕骨小頭」は、肘の外側(親指側)にあり、成長期にはまだ完全な骨ではなく、成長軟骨と呼ばれる柔らかい組織です。
その中心部は「骨端核」とよばれています。骨端核はいずれ完全に骨化して成長軟骨は無くなり栄養血管で満たされます。
しかし、5歳~10歳の小児期では骨端核に栄養を送るための血管分布が乏しく、血行障害などを受けやすい部分です。
パンナー病は、骨端核に栄養を送るための血管に何らかの障害が発生し、血流が途絶えることによって、軟骨部分が壊死してしまう疾患です。
ちなみに、上腕骨小頭では小児の骨端核へ栄養補給している血管分布がもともと貧しく、主に後方から2本の栄養血管しかないと言われています。
原因としては、肘の上腕骨小頭に繰り返し負荷や外傷がかかることが原因の1つと言われています。
骨端核の損傷が進行しているときには、肘に強い疼痛が起こり、可動域の制限を感じる時期があります。
痛みは、肘を曲げ伸ばしした時の両方に起こります。
野球肘と間違われやすいですが、野球肘に関しては肘を伸ばした時にだけ痛みが現れ、曲げる時にはほとんど痛みが現れません。
その点も、鑑別するポイントになってきます。
パンナー病は、小児の旺盛な『修復能力』が期待できる疾患です。
疼痛が強い時期は、スポーツなどは患部にストレスや負荷をかけることを避け、出来る限り安静に過ごすのが無難です。1~3年ほど経過するとほぼ完全に治癒すると言われています。
同じような症状でお悩みの方は、ご相談ください!