こんにちは。
とくやま鍼灸接骨院です。
最近、暑さがどんどん増してきていて、急な天候の変化で安心できない毎日のように思えます。
体調管理には十分に気をつけて過ごしていきましょうね。
さて、今回は先日ですが松本潤さん主演の『19番目のカルテ』をみていて、その中で仲里依紗さんが演じられていた【線維筋痛症】について専門学校時代に授業で聞いた名称の病気でしたが、詳細を覚えておらず気になったので改めて調べてみました。

1.線維筋痛症とは
線維筋痛症(せんいきんつうしょう)は、3ヶ月以上にわたり全身の広範囲に激しい痛みが続く慢性疼痛疾患です。主に中年女性に多く、日本では推定200万人程度の患者がいるとされています。男女比は日本で約1:4.8、欧米では1:7〜8と報告されており、30代〜60代の女性に多いのが特徴です。
厚生労働科学研究によると、日本での有病率は1.7〜2.1%、つまり200万人以上が罹患していると推定されます。
命に直結する病気ではないものの、痛みによって日常生活・社会生活に大きな支障をきたし、QOL(生活の質)が著しく低下します。
2.原因と発症メカニズム
疾患の根本原因はいまだ解明されておらず、「多因子疾患」とされています。考えられている発症要因には以下があります:
- 中枢神経の過敏状態:痛みの信号が脳内で増幅される「中枢感作」が関与すると考えられる。
- 遺伝的素因:家族内での発症例があり、遺伝的要素が影響する可能性があります。
- 心理・身体的ストレス:手術、怪我、事故、強いストレスなどが誘因になり得るとされています。
- 神経炎症や免疫の関与:最近の研究では、中枢神経や免疫の炎症反応が関与する可能性も探られています。
3.症状の全体像
3.1 主症状:慢性全身痛
- 全身または特定部位に3ヶ月以上持続する疼痛。
- 痛みの質は「刺すような」「締めつけられるような」「ナイフで切られるような」など多様です。
- 軽い触れに過敏に反応する触覚過敏(アロディニア)が見られることもあります。
- 疼痛には日内変動・悪化の波があり、睡眠不足・ストレス・天候など外的要因でも悪化します。
3.2 随伴症状
- 慢性疲労・倦怠感:日常動作が困難になるほどの疲労感。
- 睡眠障害:寝つきが悪い、途中覚醒や熟睡感の欠如。
- 精神症状:抑うつ、不安、情緒不安定など。
- 認知障害:「トラブル脳」「フォグ」と呼ばれる集中力・記憶の低下。
- 自律神経症状:手足の冷え、ドライアイ、発汗異常など。
- その他:頭痛(緊張型)、過敏性腸症候群、間質性膀胱炎、レストレスレッグス症候群など。
合併症として関節リウマチや膠原病を伴うこともあります。
4.診断基準と検査
4.1 米国リウマチ学会(ACR)1990年基準
- 広範囲の慢性疼痛(3ヶ月以上)。
- 全身18箇所の圧痛点(tender point)のうち、4kgの圧で11箇所以上が疼痛を示すことが条件。
- ただし専門医の判断により基準以下でも診断されることがあります。

4.2 改訂診断基準
- 2010年/2011年:痛みの広がりと症状の程度をスケール化した新版。
- 2019年:米国疼痛学会でも新しい診断基準が提案。
4.3 検査
- 血液検査、CRP、画像診断(X線・MRI)では明確な異常は検出されません。
- 診断は症状と圧痛点の存在に基づき、他疾患との除外診断によって行われます。
5.治療法
治療において根治療法は未だ存在せず、症状緩和と生活の質向上を目的とした多面的アプローチが推奨されます。
5.1 薬物療法
- プレガバリン(リリカ):神経痛を軽減し疼痛の信号を抑える薬。2012年に保険適用。
- デュロキセチン(サインバルタ):抗うつ薬で疼痛緩和に効果あり、2015年に保険適用。
- その他、疼痛治療薬、睡眠導入剤、抗うつ薬、抗けいれん薬、非ステロイド性抗炎症薬、漢方薬などが症状に応じて処方されます(全日本民医連 – 全日本民医連のホームページです)。
5.2 非薬物療法
- 運動療法:ストレッチ、有酸素運動、ヨガなどを定期的に実施することで血流改善や自然な痛み調整物質の分泌を促します。ガイドラインでも推奨されています。
- 認知行動療法(CBT):痛みに対する認知と行動を修正し、ストレス軽減を図る心理療法です。
- カウンセリング:情緒や社会的ストレスへの心理的支援を目的とします。
- 温熱療法:温水浴、ホットパック、温熱治療などが痛み和らげやリラクゼーションに有効。
- その他:リラクゼーション、低強度の運動(FM体操など)、生活リズムの改善も重要視されています。
5.3 多面的アプローチの重要性
薬物療法に加え、運動・心理療法・生活習慣改善・温熱などを組み合わせることで、症状の軽減およびQOL向上が期待されます。
6.ケア・生活上の工夫
- ペーシング(Pacing):活動と休息のバランスを取りながら無理のない範囲で日常生活を続ける方法。
- セルフモニタリング:痛み・疲労・ストレスの記録を行い、悪化要因の把握に努める。
- リラクゼーション法:深呼吸、マインドフルネス、瞑想、入浴などで自律神経を整える。
- 人とのつながり:家族・友人・支援グループとの交流で孤立感や不安の軽減が期待されます。
7.診療体制・ガイドライン
日本国内では認知度の向上とともに、線維筋痛症を専門的に診療する医療機関が増えつつあります。2009年版、2017年版の診療ガイドラインが発行され、標準的な診療指針が整備されました(東京保健所 事故通知)。また、日本線維筋痛症友の会(JFSA)が啓発活動・支援活動を展開しています(jfsa.or.jp)。
8.社会的課題と展望
- 診断の遅れ:画像や検査で明確な異常が少ないため誤診・診断遅延が多く、専門医を転々とするケースが散見されます。
- 偏見・誤解:「気のせい」「心の病」とされる風潮や、医療現場・家族などに理解が不足している場合があります。
- 制度的支援の遅れ:難病や障害に関する公的支援・保険制度が整備されつつありますが、依然として課題が残ります。
- 研究の必要性:根本的な原因解明・効果的な治療薬の開発・中枢神経・免疫システムのメカニズム解明などが求められています。
9.おわりに
線維筋痛症は、痛みだけでなく、慢性疲労・睡眠障害・精神症状など多彩な苦痛を伴う慢性疾患です。命に関わる病ではありませんが、放置すると日常生活や社会生活が著しく侵害されるため、早期診断と包括的治療が重要です。
最新の診療ガイドラインに基づいた薬物療法と、運動療法や認知行動療法など非薬物的アプローチが推奨されています。患者と医療従事者の連携、家族や周囲の理解、社会的支援体制の充実が回復の鍵となります。今後の研究によって根本治療法や診断技術が確立されることが期待されています。
参考文献(引用)
- メディカルノート「線維筋痛症について」(toranomon.or.jp)
- 線維筋痛症友の会(JFSA)・当会説明
- ドクターズ・ファイル「線維筋痛症(症状・原因・治療)」(ドクターズ・ファイル)
- 日本リウマチ財団「線維筋痛症」
- その他:疼痛.jp、明治大学臨床鍼灸学、全日本民医連、東京都難病ポータルなど(全日本民医連 – 全日本民医連のホームページです)
大阪府箕面市のとくやま鍼灸接骨院では、痛みの程度、部位、痛み方によって、その方に合わせたの施術を受けることができます。
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