【肩の痛み、背中の痛み】~肩甲背神経絞扼~

こんにちは。


とくやま鍼灸接骨院です♬


彼岸入りも済んで、これから徐々に春の暖かさが感じられる季節となりました。

寒さで縮こまっていた体も少しずつリラックスの時期です。

しかし、季節の変わり目は風邪を引きやすく、体調を崩しやすい時期でもありますよね。

みなさまの健康をサポートするために、体調管理や体のメンテナンスに必要な施術を提供しております。

手技療法や鍼灸、リラクゼーション等をご用意し、一人ひとりの体調や症状に合ったケアを心がけています。

特に春はアレルギー症状が出やすい方も多いので、ぜひご相談ください。

心地よい毎日を送れるよう、スタッフ一同お待ちしております。

これからどんどん暖かくなりますが、温度の急な変化にもどうぞご注意ください。

さて今回は、その肩甲背神経絞扼について解説していきます。

肩甲背神経絞扼(けんこうはいしんけいこうやく、Scapular nerve entrapment)は、肩甲骨周辺に分布する神経である肩甲背神経(Scapular nerve)が圧迫され、異常な症状を引き起こす病態です。この神経は肩甲骨を支える筋肉群に重要な役割を果たしており、特に肩甲骨周辺の筋肉である前鋸筋や肩甲下筋に対して運動神経を供給しています。肩甲背神経が絞扼されると、これらの筋肉の機能が障害され、肩や肩甲骨周辺の痛み、運動障害が発生します。

1. 肩甲背神経の解剖学的背景

肩甲背神経は、脊髄から出た神経のひとつで、胸椎部の神経根から分岐して肩甲骨に向かいます。具体的には、C5、C6、C7の神経根から分岐し、肩甲骨の背面にある前鋸筋や肩甲下筋などに信号を送ります。前鋸筋は肩甲骨を胸壁に引き寄せる役割を果たし、肩甲下筋は肩甲骨の下部を動かすことに関与しています。

肩甲背神経が正常に機能していれば、これらの筋肉は正常に動作し、肩の運動や姿勢において重要な役割を果たします。しかし、神経が圧迫されることにより、これらの筋肉が適切に動かなくなり、様々な障害が現れます。

2. 肩甲背神経絞扼の原因

肩甲背神経絞扼の原因は様々であり、複数の要因が関与することがあります。主な原因には次のようなものがあります。

2.1 解剖学的な構造異常

肩甲背神経が圧迫される原因のひとつとして、解剖学的な構造異常があります。例えば、肩甲骨周辺の筋肉の過剰な張りや、骨の変形、さらには肩甲骨を支える靭帯や筋肉の肥厚などが神経を圧迫することがあります。特に高齢者では骨や靭帯の変形が進行し、神経絞扼が生じやすくなります。

2.2 外的衝撃や怪我

肩甲背神経は、肩部への外的な衝撃や怪我が原因で絞扼を受けることがあります。交通事故やスポーツの接触プレー、重い物を持ち上げる際の無理な体勢などが神経を圧迫する原因となることがあります。これらの衝撃により、筋肉や靭帯が損傷し、その結果として神経が絞扼されることがあるのです。

2.3 過剰な運動や繰り返しの動作

長時間にわたって同じ動作を繰り返すことも、肩甲背神経の絞扼を引き起こす原因となります。特にデスクワークや重労働、スポーツ選手など、肩甲骨周辺の筋肉に過剰な負担がかかる職業やライフスタイルでは、筋肉が緊張し、神経が圧迫されやすくなります。肩を多く動かす動作が繰り返されると、筋肉や神経が緊張してしまい、最終的に絞扼が生じるのです。

2.4 姿勢不良

長時間の不適切な姿勢も肩甲背神経絞扼を引き起こす原因のひとつです。姿勢が悪いと、肩甲骨周辺の筋肉や靭帯に不自然な負担がかかり、神経が圧迫されることがあります。特に、肩を前に突き出したり、背中を丸めた姿勢は、肩甲背神経への圧力を高める原因となるため、注意が必要です。

3. 肩甲背神経絞扼の症状

肩甲背神経が圧迫されると、様々な症状が現れます。症状の程度や現れ方は個人差がありますが、以下のような特徴的な症状がみられます。

3.1 肩甲骨周辺の痛み

最も一般的な症状は肩甲骨周辺の痛みです。この痛みは鈍痛や鋭い痛みとして感じることがあり、肩甲骨の内側や背部、肩の上部に広がることもあります。運動時や重い物を持ち上げる際に痛みが強くなることが多いです。

3.2 筋力低下

肩甲背神経が絞扼されると、その神経が支配する筋肉、特に前鋸筋や肩甲下筋に筋力低下が生じます。前鋸筋の筋力低下により、肩甲骨が正常に動かせなくなり、肩の可動域が制限されることがあります。これにより、肩を動かす際に不自由感を感じたり、肩が上がらない、または肩甲骨が浮き上がってしまうなどの症状が現れます。

3.3 肩甲骨の異常運動

肩甲背神経が絞扼されることで、肩甲骨が正常に動かなくなります。例えば、肩甲骨が正常に引き寄せられず、肩が前に突き出る「肩甲骨の前傾」や、逆に肩甲骨が浮き上がることがあります。これにより、肩の動きが制限され、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあります。

3.4 神経障害による感覚異常

肩甲背神経の圧迫により、神経が障害されると、痛みだけでなく、感覚異常も現れることがあります。例えば、肩や背中にしびれや鈍い感覚が生じることがあり、これが原因で患者は肩甲背神経絞扼の疑いを抱くことが多いです。

4. 肩甲背神経絞扼の診断

肩甲背神経絞扼の診断は、詳細な病歴の聴取と身体検査から始まります。医師は患者が感じている症状を確認し、肩や肩甲骨周辺を触診して筋肉の緊張や筋力低下の程度を評価します。

4.1 神経学的検査

神経学的検査では、肩甲背神経の支配する筋肉を評価し、筋力低下や感覚障害の有無を確認します。また、神経の圧迫がどの部位で起こっているのかを特定するために、神経伝導速度の測定や筋電図検査が行われることもあります。

4.2 画像診断

さらに、X線やMRI、CTスキャンなどの画像検査を用いて、肩甲背神経の圧迫の原因を確認することができます。骨の異常や靭帯の損傷、筋肉の緊張などが原因で神経が圧迫されている場合、それを可視化することができます。

5. 肩甲背神経絞扼の治療法

肩甲背神経絞扼の治療には、保存的治療と外科的治療があり、症状の程度や原因に応じて適切な方法が選ばれます。

5.1 保存的治療

軽度の肩甲背神経絞扼の場合、保存的治療が有効です。まず、安静を保つことが大切で、肩や背中の筋肉にかかる負担を減らすことが重要です。加えて、理学療法やストレッチングが有効で、筋肉をリラックスさせ、柔軟性を高めることで神経の圧迫を軽減できます。消炎鎮痛剤や筋弛緩剤を使用して、痛みや炎症を抑えることも一般的です。

5.2 外科的治療

保存的治療が効果を示さない場合や、症状が進行している場合には、外科的治療が検討されることがあります。手術により神経を圧迫している原因を除去したり、必要に応じて筋肉や靭帯を修復することが行われます。

6. 結論

肩甲背神経絞扼は、肩甲骨周辺の筋肉に影響を及ぼし、痛みや筋力低下、可動域制限を引き起こす症状です。原因には解剖学的異常や外的衝撃、過剰な運動、姿勢不良などがあり、早期の診断と治療が重要です。保存的治療が効果的な場合が多いですが、進行した症例には外科的治療が必要となることがあります。肩甲背神経絞扼は、適切な対応を行うことで、改善が期待できる疾患です。

大阪府箕面市のとくやま鍼灸接骨院では、痛みの程度、部位、痛み方によって、その方に合わせたの施術を受けることができます。

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肩こりや腰痛が治らないと悩みを抱えている方はぜひお気軽にお問合せください!

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